
図1.浸透
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要旨 ![]() 図1.浸透 逆浸透は浸透のコンセプトを用いており、濃厚液の入った半透膜側へ圧力を加え、その結果、その液は特殊な膜を通過させられる。溶液中の汚染物が除去された結果、精製された薄い液ができる。上の例を用いて、同量の濾過していない水道水と注射剤用精製水を半透膜の両側に置くと、逆浸透中に、水は水道水側から精製水側へ移動させられる。しかしながら、その半透膜の性質および加えられた圧力によって、汚染物は半透膜を横切らない(図2)。有機化合物、溶解イオン、重金属8、および微生物(細菌、真菌、およびウイルス)の95-99%を逆浸透によって水から除去することができる。 実験動物用飲料水の精製に用いられる逆浸透の利点 実験動物用の飲料水は通常、動物施設で消毒殺菌剤で処理される。しかし、消毒剤は水中の有機化合物と反応して消毒剤副産物(disinfectant byproducts : DBPs)を生成する。多くのDBPsは発癌性を持っており、癌研究および毒性研究に用いられる動物においては重要な因子である。逆浸透は施設における消毒プロセスに先立って多くの有機化合物を除去するので、消毒剤と反応する化合物の量を減らし、DBPsの産生を減少させる9。同様に、消毒剤は細菌を殺すことによってパイロジェンおよびエンドトキシン(細菌が死んだことによる副産物)を形成させる。逆浸透はパイロジェン、エンドトキシン、および細菌を原水から除去するのに効果があるので、透過水からは細菌が除去されている。したがって、動物用の飲料水中における細菌性副産物が劇的に減少する10。 水道水の品質は調節されているけれども、総溶解固形物および重金属などの汚染物の濃度はかなり変動している。さらに、上水道は胃腸炎を起こすクリプトスポリジウム、ジアルジア、およびウイルスなどの微生物によって汚染されていることがある。これらの微生物性汚染物は塩素処理あるいは酸性化によっては適切に抑制されない。それゆえに、水道水の汚染は動物の健康に悪い影響を及ぼし、実験動物を用いる研究に制御できない変数を加えることになる。逆浸透はこれらの微生物性汚染物を動物の飲料水から除去する3。 水道システムの多くはは非常に古くなっている。水道主管は圧力を弱め、断水、消火水流(火事を消すために用いられる水)およびその他の修理の間には部分的な真空さえ起きることがある。圧力が失われると“バック・サイフォン現象”が起き、そのあいだに汚染物が配水系に吸い込まれる1。逆浸透による精製は古くなったあるいは壊れた水道システムによる不測の汚染から動物の飲料水を保護する。 無機化合物ならびに砒素、鉛、および水銀のような重金属は、殺虫剤および除草剤の残留と同様に、公共水道をときどき汚染する4。これらの化合物は発癌性であり、実験動物を用いる研究に制御できない変数を持ち込んでくる。発癌性化合物は、免疫不全の動物、ならびに癌研究および毒性研究に用いられる動物から得られる研究データに特別に悪い影響を及ぼすおそれがある。逆浸透による飲料水の精製は実験動物を飲料水媒介の発癌性汚染物への暴露から防御する効果的な方法である。 高質の実験動物用飲料水を得るための水処理 2. The Merriam-Webster Dictionary. Springfield, MA, Merriam-Webster, Inc., 1995 3. 1998 Workshop on Emerging Drinking Water Contaminants NRC: Identifying Future Drinking Water Contaminants. Washington D.C., National Academy Press, 1999, 4. Drinking Water Contaminants. Environmental Protection Agency Office of Water . 7-23-2001. http://www.epa.gov/safewater/hfacts.html 5. Preventing Waterborne Disease, A Focus on EPA's Research. EPA/640/K-93/001. 2001. Cincinnati, OH, United States Environmental Protection Agency, Center for Environmental Research. http://www.epa.gov/nerlcwww/h2odis.pdf 6. Byrne W. Reverse Osmosis, A Practical Guide for Industrial Users. Littleton, CO, Tall Oaks Publishing Inc., 1995 7. Committee on Care and Use of Laboratory Animals of the Institute of Laboratory Animal Resources Commission on Life Sciences. Guide for the Care and Use of Laboratory Animals. 1996. Washington, D.C, National Academy Press. 8. Huxstep, MR and Sorg, TJ. Reverse osmosis treatment to remove inorganic contaminants from drinking water. EPA/600/S2-87/109. 1988. Cincinnati, OH, United States Environmental Protection Agency, Center for Environmental Research Information. 9. Kitis M, Kilduff JE, Karanfil T. Isolation of dissolved organic matter (DOM) from surface waters using reverse osmosis and its impact on the reactivity of DOM to formation and speciation of disinfection by-products. Water Res. 35:2225-2234, 2001 10. Laurence RA, Lapierre ST: Quality of hemodialysis water: a 7-year multicenter study. Am.J.Kidney Dis. 25:738-750, 1995 |